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よくある質問

当組合によくいただく質問を抜粋して掲載しております。
ご質問・ご相談などございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください

大規模修繕工事について

大規模修繕工事は何のために行うのですか?

大規模修繕の目的は、不具合の改善、バリューアップ、緊急的措置などがあります。この目的を明確にしておかないと、工事の直前・工事中になってトラブルになることがあります。また、大規模修繕をどのような体制で進めて行くのか、パートナーを誰に依頬するのかも重要です。まず、修繕の必要性や目的、体制づくりから検討をはじめます。


▼大規模修繕工事の目的

躯体機能の回復 美観の回復 住環境の向上 財産価値の維持・向上
経年によるコンクリートの劣化(鉄筋爆裂・ひび割れ・欠損・中性化等)やシーリンク材の劣化(界面剥離・硬化)により失われた、それぞれの保護機能(止水・強度)を回復させます。 劣化現象(ひび割れ・欠落l 錆汁一雨垂れt 槌色等)で汚れたマンションの外観は見た目にも見窄らしく、近隣環境を壊しているばかりか、財産価値をも低下させています。新仕上げ材で元の美しいマンションに蘇らせます。 建物・設備の経年変化や生活様式の変化により低下した機能を、建物の防犯性や安全性と諸設備の生活様式の面から、改良又は改善して、住み良いマンションにします。 それぞれの工事の目的を達成させて、財産としての価値を維持、向上させます。

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管理組合は何から取り組めばいいですか?

  • まず、大規模修繕は役員だけで対応するのは大変なので支援組織として「修繕委員会」を作ります。
  • 他のマンションの工事見学会への参加などにより大規模修繕のすすめ方の理解を深めておきます。
  • 工事の発注方式とパートナーを決めます。

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修繕委員会は必要ですか?

必ず設置しなくてはならないというものではなく、マンションの規模、工事の専門性や規模、コミュニティーの濃度、人材の有無などを考慮した上で、無理のない範囲で設置を検討する方がよいでしょう。

専門委員会は理事会の諮問機関として設置するのが普通です。このような委員会を設置する主な理由は、大規模修繕工事を進めるときには継続的で段階的な進行が必要になりますが、多くの管理組合の役員が毎年のように交代するケースが多いことと、理事会では他のことも検討・議決する必要があり、理事への時間的負担等が極端に増えることを防ぐこともその理由として考えられます。

ここで多少注意したいのは、専門委員会と理事会が対立することが時々あるということです。この背景には、専門委員会は徐々に大規模修繕のいろいろな事情に精通してくるが、毎年変わる理事は細かいことは理解しにくいということがあります。しかも、普通の人が理事としての「決定権」をもっているのに対して、専門委員会はあくまで諮問機関としての「意見」に過ぎないという逆転現象があるからでしょう。このようなトラブルを防止するには、とにかくコミュニケーション以外にはありません。

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修繕委員の選定方法を教えてください

修繕委員の候補や人数は、方針の決定、対外折衝、居住者への対応、広報などの役割に対応できる委員で構成できる組織となるように決定します。

  • 希望者を公募する。
  • 理事や役員経験者、他のマンションでの経験者、内部の建築士などの専門家を活用する。
  • 修繕委員会に出席できる様々な立場の人からバランスよく選出する。女性や若い人にも参加を呼びかける。
  • 建設会社の社員である区分所有者など、エ事の発注先となり得る関係者を委員にする場合には、業務範囲を明確にしておく。例えば、施工会社選定には関与しないなどです。

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修繕委員会の運営をスムーズに進めるポイントは?

公開性の持続
修繕委員会が何を考えているのか、大規模修繕工事にどう取り組もうとしているのか等、常に組合員に修繕委員会の情報を公開する必要があります。機関誌、「大規模修繕だより」等でその内容を広報して行くことで組合員の関心が徐々に高まります。そのことでスケジュールに則り話をスムーズに進めて行くことが可能になります。

共通条件の設定
修繕委員会が、大規模修繕工事の見積を依頼するときは、事前に工事範囲や工事内容、工事仕様をきちんと決めておく必要があります。このとき共通条件を提示しないと業者側は、それぞれ自分の得意な工法・仕様で見積を提出し、金額、工事内容はばらばらとなり、修繕委員会の判断が出来なくなります。「共通条件」を設定、提示してその見積を出してもらうことを心掛けて下さい。

代理権の執行
大規模修繕工事の執行に当る修繕委員会は、総会で承認を受けます。そのことは、修繕委員会は区分所有者の代表であり、役員はリーダーシップを持って代理権を執行、行使することが大事です。出来るだけ多くの方、皆さんが納得することを考えて、10〜12、3の業社に見積依頼をした例があります。これなどは、効率を考え修繕委員会の責任で、5〜3社に絞る事も必要です。色彩の決定にしても、住民の多数の意見を聞くよりは、周辺との調和を良く考えた上で修繕委員会の責任で2,3案を作成し、その中から組合員のアンケートを取り、決定して行く方がより良い結果が得られるのではないでしょうか。

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工事の発注方式の違いを教えてください

工事の発注方式には、「設計監理方式」と「設計施工方式」「管理業者主導方式」などがあります。当組合では、「設計監理方式」を取っております。

工事発注方式 パートナー 依頼する内容 競争原理
診断・設計等 施工 工事監理
設計監理方式 設計事務所等 設計事務所等 施工会社 設計事務所等
管理会社 管理会社 施工会社 管理会社
施工管理方式 施工会社 施工会社 ×
管理業者主導方式 管理会社 管理会社 ×

▼大規模修繕工事の基本的な進め方

設計監理方式
右図Aの後、設計事務所等のコンサルタントを選び、そのコンサルタントにBからGまでの専門的、技術的及び実務的な部分を委託し、H(工事)の段階では工事監理を委託する方式である。設計と施工(会社)とが分離しているので、施工会社の選定を同一基準で適正に行うことができ、工事の厳正なチェックも期待できるので、管理組合にとっては安心して進められる方式である。

設計施工方式
Aの後、信頼のおける施工会社数社に呼びかけ、BからEまでを依頼し(ほとんどの場合無償)、そのうちから1社を選んで、そこにH(工事)も請け負わせる方式である。最初から1社に決めて行う場合もあるが、価格競争がないので、特殊なケースに限られるようである。施工会社がそのマンションの管理会社のこともある。いずれにしろ、専門的な第三者によるチェックがないので、結果的には割高になったり、安易な工事になることがある。

管理業者主導方式
管理組合が弱体な場合、管理組合に企画立案力や執行力が欠けるため、管理会社が管理組合の意向を受け、大規模修繕の準備や実施を主導的に行う方式である。決定は管理組合が行うが、そのお膳立ては管理会社が行う方式ともいえる。管理組合の手間は省けるが、第三者によるチェックが入らないので、設計施工方式と同様な問題点があり得る。

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設計監理方式は費用が高いのでは?

図(1):一般に誤解されている設計監理方式のイメージ

設計監理方式への誤解
パートナーに設計事務所等の施工に関係ない人を選ぶときは、その費用がもったいないと思うことがあります。これは、右図の(1)のようなイメージでしょう。つまり、工事費に上乗せした余計な費用がかかるということです。しかし、設計施工方式でも調査診断、改修設計、工事監理は必要であり、その費用は施工会社の工事費に隠れているに過ぎません。


図(2):正しい理解

見積書に明示してないからといって、調査診断や改修設計を行わないで工事はできませんから、その費用は右図の(2)のように構成されているのです。

業者選定を入札方式や見積合わせ方式を採用すれば、競争原理がない状態よりも工事金額は割安な適正な価格になることが普通のようです。また、施工会社が行う施工管理で果たして品質に関して管理組合が区分所有者に対して責任を持てるでしょうか。

以上をまとめると、適正な価格で、品質の高い、確かな大規模修繕工事を実施するには、パートナー(設計事務所等の施工に関係ない経験と実績を積んだ人で)を選ぶのが、損をしない、後で後悔をしない賢い選択になるといえます。

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設計監理方式による進め方を教えてください

パートナー(コンサルタント)として設計事務所が選ばれることが多い傾向にあります。その標準的な流れ及びコンサルタントの役割を次に示す。


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パートナーの選び方を教えてください

大規模修繕には専門的知識と判断が求められるため、パートナーとなる専門家の協力が必要です。

パートナーの条件

  • マンションの大規模修繕に関する実績があるか。
  • 今回行うマンションの修繕技術や実績があるか。
  • 管理組合の運営について知識やビジョンがあるか。
  • コンサルタント費用の報酬が明確か。
  • 管理組合としてコミュニケーションしやすいか。

パートナーとのつきあい方

  • パートナーにまかせっきりにすることなく、協働ですすめていくことが大切。
  • 業務範囲や、費用が発生する範囲、責任の説明をよく理解して依頼。
  • パートナーに対する管理組合の窓口は一本化。
  • 疑問点はあいまいにしないで、パートナーに十分説明を求める。
  • 信頼できるパートナーとは、ホームドクター的存在として継続的におつきあいすることも。

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マンションの大規模修繕工事を成功させるためのポイントを教えてください

マンションにおける大規模改修工事を成功させるために、クリアしければならない、いくつかのキーポイントがあります。

  • 合意の形成
  • 早期の資金計画
  • タイムスケジュールの作成
  • 調査診断と改修設計
  • 工事範囲の決め方
  • 施工業者の選定
  • 工事管理(監理)と検査
  • アフター点検と対応

これらを理事会や修繕委員会のメンバーだけでクリアしていくのは大変な困難を伴いますので、当組合のようなコンサルタントの手を借りる管理組合が増えてきています。

専門家で第三者的立場からアドバイスがあることで、効率的に一連の流れが進み、過剰な仕様設定を防止し、適正な施工金額が決定されるなど、管理組合の不利益が回避されるとともに、理事会、修繕委員会の負担が軽減され、大規模修繕工事をスムーズに実行することができます。

コンサルタントを選定するときには、

  • 改修・修繕に対する知識が深いこと
  • 豊富な実績・経験をもっていること
  • 区分所有建物に対する十分な知識をもっていること

などに留意し、費用の額だけで選定することのないようにしましょう。また、コンサルタントを利用する場合でも、管理組合が主導権をもって進めることが肝要です。

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